正常者での詐聴模擬実験におけるCNV検査の検討

CNVを用いた聴力検査 (CNV聴検) は機能性難聴の診断には有用である。 しかし, 被験者の全面的協力が得られない詐聴においては, CNV聴検が可能かどうかは問題である。 今回, 8人の聴力正常者で詐聴を模擬した場合 (詐聴条件) と積極的に課題に取り組んだ場合 (積極条件) とでCNV聴検を比較し, 詐聴におけるCNV聴検の有用性について検討した。 その結果, 詐聴条件でも積極条件と同様にCNV聴検は充分に可能であり, しかも最小可聴閾付近までの反応が得られることがわかった。 この事実はCNV平均電位の統計学的分析からも裏付けられた。 これよりCNV聴検が詐聴の検査として有用であることが示...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 33; no. 6; pp. 767 - 774
Main Authors 土井, 直, 牛呂, 公一, 投石, 保広, 細田, 泰男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1990
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.33.767

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Summary:CNVを用いた聴力検査 (CNV聴検) は機能性難聴の診断には有用である。 しかし, 被験者の全面的協力が得られない詐聴においては, CNV聴検が可能かどうかは問題である。 今回, 8人の聴力正常者で詐聴を模擬した場合 (詐聴条件) と積極的に課題に取り組んだ場合 (積極条件) とでCNV聴検を比較し, 詐聴におけるCNV聴検の有用性について検討した。 その結果, 詐聴条件でも積極条件と同様にCNV聴検は充分に可能であり, しかも最小可聴閾付近までの反応が得られることがわかった。 この事実はCNV平均電位の統計学的分析からも裏付けられた。 これよりCNV聴検が詐聴の検査として有用であることが示唆された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.33.767