各種血清型菌体を抗原としたimmunoblot法による抗Chlamydia trachomatis抗体の検

Chlamydia trachomatisに対する抗体検出法の1つであるimmunoblot (IB) 法を用いて各種血清型菌株と患者血清との反応性を検討した.またC. trachomatis特異的合成ペプチドを抗原としたenzyme-linked immunosorbentassay (ELISA) との関連を検討した. C. trachomatis抗原陽性婦人血清12例を用い, 血清型EとC菌体をそれぞれ抗原としたIB法を比較したところ, 反応の強さはE>C 11例, E<C 1例であった.一方, EまたはC株のペプタイドを抗原としたELISAでは, E>Cの吸光度値を示...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 81; no. 2; pp. 133 - 137
Main Authors 岩田, 敏, 砂川, 慶介, 大島, 俊文, 本村, 龍太郎, 坂内, 久一, 秋田, 博伸, 佐藤, 吉壮, 菰田, 照子, 芦田, 愛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 2007
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.133

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Summary:Chlamydia trachomatisに対する抗体検出法の1つであるimmunoblot (IB) 法を用いて各種血清型菌株と患者血清との反応性を検討した.またC. trachomatis特異的合成ペプチドを抗原としたenzyme-linked immunosorbentassay (ELISA) との関連を検討した. C. trachomatis抗原陽性婦人血清12例を用い, 血清型EとC菌体をそれぞれ抗原としたIB法を比較したところ, 反応の強さはE>C 11例, E<C 1例であった.一方, EまたはC株のペプタイドを抗原としたELISAでは, E>Cの吸光度値を示したのが6例, E<Cが6例であった. また, 別のC.trachomatis抗原陽性婦人血清6例に対して血清型L2, D, E, Cの各菌体を各々抗原としたIB法を実施したところ, 反応の強さはE≧D≧L2≧;Cの順であった.更に複数株の合成ペプタイド (C, E, G, L2) を抗原としたペプタイドクラミジア「明乳」 (P-ELISA) ではIB法で陽性を示した血清18例全てが陽性であった. 以上の結果はIB法によるC. trachomatis抗体検出では抗原として用いる菌体の血清型により感度が異なることを示している.また, ペプタイドを抗原とするELISAでは複数の血清型菌由来のペプタイドを用いることが重要であり, 結果の判定にはこれを考慮した判断が必要と思われる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.133