MRIにて術前診断した左傍十二指腸ヘルニアの1例

MRIにて術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は, 30歳,女性.間欠的な左側腹部痛,嘔気を主訴に当科を受診.左上腹部に圧痛を認めたが,筋性防御はなかった.腹部CT検査所見において胃背側に腫瘤像を認めた. MRIにて内部が腸管と同信号かつ腸管壁構造が鮮明に描出されたことより陥入した小腸と判断し,左傍十二指腸ヘルニアと診断した.その後も間欠的なイレウス症状を繰り返すため開腹下にヘルニア門の閉鎖を行った.傍十二指腸ヘルニアは,特有な症状に乏しいが,間欠的なイレウス症状を有する場合は本疾患の存在を念頭に置く必要があり,その確定診断においてMRIが有用と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 12; pp. 2847 - 2850
Main Authors 星野, 誠一郎, 山下, 裕一, 前川, 隆文, 白日, 高歩, 橋本, 竜哉, 篠原, 徹雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.12.2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.2847

Cover

More Information
Summary:MRIにて術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は, 30歳,女性.間欠的な左側腹部痛,嘔気を主訴に当科を受診.左上腹部に圧痛を認めたが,筋性防御はなかった.腹部CT検査所見において胃背側に腫瘤像を認めた. MRIにて内部が腸管と同信号かつ腸管壁構造が鮮明に描出されたことより陥入した小腸と判断し,左傍十二指腸ヘルニアと診断した.その後も間欠的なイレウス症状を繰り返すため開腹下にヘルニア門の閉鎖を行った.傍十二指腸ヘルニアは,特有な症状に乏しいが,間欠的なイレウス症状を有する場合は本疾患の存在を念頭に置く必要があり,その確定診断においてMRIが有用と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.2847