頭頂部緩反応P2成分における双極子の検討

双極子追跡法を用いて頭頂部緩反応P2成分について検討を行った。聴力正常成人24名について検討を行い, そのうち18名は信頼性の高い結果が得られた。正中やや後方に双極子は位置し, その方向は上前方に向いまた双極子の個数は1個と考えられた。 刺激音の違いや刺激持続時間, また刺激周波数を変化させても双極子の位置, 方向に変化は見られず, 極めて安定していた。 さらにデジタルフィルタ処理を行い, それぞれを双極子追跡したところ, 2-6Hzの帯域を遮断しない限りは双極子の位置や方向に変化は見られなかった。 過去の報告と比較しても, 双極子追跡法はP2成分の性質を損なうことなく検討でき, 信頼性が高く...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 38; no. 1; pp. 96 - 105
Main Authors 原, 治, 市川, 銀一郎, 桜井, 淳, 中川, 雅文, 吉田, 悌友
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1995
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.38.96

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Summary:双極子追跡法を用いて頭頂部緩反応P2成分について検討を行った。聴力正常成人24名について検討を行い, そのうち18名は信頼性の高い結果が得られた。正中やや後方に双極子は位置し, その方向は上前方に向いまた双極子の個数は1個と考えられた。 刺激音の違いや刺激持続時間, また刺激周波数を変化させても双極子の位置, 方向に変化は見られず, 極めて安定していた。 さらにデジタルフィルタ処理を行い, それぞれを双極子追跡したところ, 2-6Hzの帯域を遮断しない限りは双極子の位置や方向に変化は見られなかった。 過去の報告と比較しても, 双極子追跡法はP2成分の性質を損なうことなく検討でき, 信頼性が高くかつ将来的に臨床に役立てられるものと考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.38.96