7432-Sの臨床的検討

7432-Sは塩野義製薬研究所で合成, スクリーニングされた経口用セフェム系抗生物質である。 今回, 7432-Sを呼吸器感染症12例に投与し, その臨床効果と副作用などについて検討した。 対象症例は男性9例, 女性3例, 年齢分布は33歳より77歳 (平均年齢54.9歳) におよび, 疾患の内訳は慢性気管支炎6例, 急性気管支炎3例, びまん性汎細気管支炎1例, 感染を伴った気管支拡張症2例である。 投与方法は1回200mg, 1日2回, 食後に経口投与した。投与日数は7日間が10例, 14日間が2例 (平均投与日数8.2日), 総投与量は2.8gより5.6g (平均総投与量1.17g) で...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement1; pp. 231 - 235
Main Authors 渡辺, 一功, 池本, 秀雄, 浜本, 恒男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement1_231

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Summary:7432-Sは塩野義製薬研究所で合成, スクリーニングされた経口用セフェム系抗生物質である。 今回, 7432-Sを呼吸器感染症12例に投与し, その臨床効果と副作用などについて検討した。 対象症例は男性9例, 女性3例, 年齢分布は33歳より77歳 (平均年齢54.9歳) におよび, 疾患の内訳は慢性気管支炎6例, 急性気管支炎3例, びまん性汎細気管支炎1例, 感染を伴った気管支拡張症2例である。 投与方法は1回200mg, 1日2回, 食後に経口投与した。投与日数は7日間が10例, 14日間が2例 (平均投与日数8.2日), 総投与量は2.8gより5.6g (平均総投与量1.17g) である。 臨床効果は著効1例, 有効10例, やや有効1例で, 12例中11例が有効以上の成績であった。疾患別では慢性気管支炎6例, 急性気管支炎3例は全例有効, 感染を伴った気管支拡張症の1例は著効, 1例は有効, びまん性汎細気管支炎の1例はやや有効であった。細菌学的検討は10例に喀痰培養を試み, 起炎菌として3例からHaemophilus influeneaeを, 2例からKlebsiella pneumoniaeを分離したが, 本剤投与でH. influenzaeの1例を除き全て除菌可能であった。 副作用としての発疹, 発熱, 嘔気, 嘔吐, 下痢などは全例認めず, また臨床検査値も本剤投与前後で, 特に異常値は認めなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement1_231