脳血管障害患者における塩酸カルテオロールの脳血流に及ぼす影響

断しいβ遮断薬カルテオロールの脳血流に及ぼす影響を亜急性期脳血管障害患者で検討した.高血圧を伴う意識障害のない亜急性期脳血管障害患者10名 (脳梗塞7, 脳出血3;平均58.2歳) を対象とし, XenonCT法で安静時およびカルテオロール10mg内服30分後の脳血流を測定した.血中でカルテオロールの吸収が確認された9例で以下の検討を行った.平均動脈血圧は, 126.1±8.1から, 120.4±8.5mmHgへと有意に低下した (p<0.05).投与前の平均脳血流量は37.8±4.3ml/100g/minで, 投与後は40.2±3.2m//100g/minであった.脳血流増加量は投与前...

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Published in脳卒中 Vol. 17; no. 2; pp. 130 - 136
Main Authors 野川, 茂, 小張, 昌宏, 渡辺, 茂, 福内, 靖男, 小原, 克之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.04.1995
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.17.130

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Summary:断しいβ遮断薬カルテオロールの脳血流に及ぼす影響を亜急性期脳血管障害患者で検討した.高血圧を伴う意識障害のない亜急性期脳血管障害患者10名 (脳梗塞7, 脳出血3;平均58.2歳) を対象とし, XenonCT法で安静時およびカルテオロール10mg内服30分後の脳血流を測定した.血中でカルテオロールの吸収が確認された9例で以下の検討を行った.平均動脈血圧は, 126.1±8.1から, 120.4±8.5mmHgへと有意に低下した (p<0.05).投与前の平均脳血流量は37.8±4.3ml/100g/minで, 投与後は40.2±3.2m//100g/minであった.脳血流増加量は投与前の平均動脈血圧と有意な正の相関を示した (p<0.05).カルテオロールは投与前の血圧がある程度高ければ, 亜急性期の意識障害のない脳血管障害患者の脳血流を低下させない降圧薬である可能性が示唆された.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.17.130