Fleroxacinの嫌気性菌に対する抗菌力について
ニューキノロン系合成抗菌剤であるfleroxacinの嫌気性菌に対する抗菌力を検討するとともに, マウス盲腸内におけるClostridium difficileの異常増殖誘発実験を行った Ofloxacin (OFLX), norfloxacin (NFLX), pipemidicacid (PPA) およびtosufloxacin (TFLX) を比較薬剤として検討した。抗菌スペクトラムの検討では11属菌, 34菌種, 35菌株の参考菌株 (referencestrain) を用い, 新鮮臨床分離株に対する抗菌力測定には, 1983年-1986年に各種臨床材料から分離された228株 (11菌...
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          | Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 38; no. Supplement2; pp. 47 - 54 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本化学療法学会
    
        1990
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| Subjects | |
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| ISSN | 0009-3165 1884-5894  | 
| DOI | 10.11250/chemotherapy1953.38.Supplement2_47 | 
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| Summary: | ニューキノロン系合成抗菌剤であるfleroxacinの嫌気性菌に対する抗菌力を検討するとともに, マウス盲腸内におけるClostridium difficileの異常増殖誘発実験を行った Ofloxacin (OFLX), norfloxacin (NFLX), pipemidicacid (PPA) およびtosufloxacin (TFLX) を比較薬剤として検討した。抗菌スペクトラムの検討では11属菌, 34菌種, 35菌株の参考菌株 (referencestrain) を用い, 新鮮臨床分離株に対する抗菌力測定には, 1983年-1986年に各種臨床材料から分離された228株 (11菌種) を用いた。 FleroxacinはBacteroides distasonis, Bacteroides oralis, Bacteroides uniformis, Fusobacterium necrophorum, Fusobacterium mortiferumを除く, 嫌気性グラム陰性菌全般に強い抗菌力を有し, OFLXよりはやや劣るがNFLXやPPAより著しく優れていた。嫌気性グラム陽性菌に対してはPeptoStreptococcus prevotii, Streptococcus intermedius, Clostridium diffioile, Clostridium sordellii以外の菌種に対して強い抗菌力を示した。 Fleroxacinは新鮮臨床分離株のBacteroides fragilis groupをはじめ殆どの嫌気性菌に対して強い抗菌力を有し, その程度はOFLXより少し劣るがNFLXやPPAより優れていた。FleroxacinはB.fragilisに対して, 2MIC以上の濃度で殺菌的に作用するが, 1MICでは静菌的であった。 Fleroxacinを7日間連続投与した後のマウス盲腸内におけるC.difficileの異常増殖は全く認められなかった。 | 
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| ISSN: | 0009-3165 1884-5894  | 
| DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.38.Supplement2_47 |