経口セファロスポリン系抗生剤BMY-28100の嫌気性菌に対する抗菌力

新経口セファロスポリン系抗生剤BMY-28100の嫌気性菌に対する抗菌力をcefixime (CFIX) とcefaclor (CCL) を比較薬剤として検討した。Reference strainを用いた抗菌スペクトラムの検討においては, BMY-28100はグラム陽性菌とグラム陰性球菌に対し, CFIXやCCLより強い抗菌力を認めた。Bacteraides fragilis group 以外のBacteroides属の菌に対しBMY-28100はCFIXとほぼ同等で, CCLよりは強い抗菌力を示した。しかし, B. fragilis group の多くの菌種に対しBMY-28100は, CF...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement3; pp. 92 - 105
Main Authors 渡辺, 邦友, 武藤, 吉徳, 上野, 一恵, 板東, 香お里, 加藤, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement3_92

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Summary:新経口セファロスポリン系抗生剤BMY-28100の嫌気性菌に対する抗菌力をcefixime (CFIX) とcefaclor (CCL) を比較薬剤として検討した。Reference strainを用いた抗菌スペクトラムの検討においては, BMY-28100はグラム陽性菌とグラム陰性球菌に対し, CFIXやCCLより強い抗菌力を認めた。Bacteraides fragilis group 以外のBacteroides属の菌に対しBMY-28100はCFIXとほぼ同等で, CCLよりは強い抗菌力を示した。しかし, B. fragilis group の多くの菌種に対しBMY-28100は, CFIXやCCLと同様に抗菌力が弱かった。臨床分離株を用いた検討では, B. fragilisに対するBMY-28100のMIC50は50μg/ml (106CFU/ml接種) と高く, ことにβ-lactamase高度産生株に対するMICは≧200μg/mlであった。BMY-28100のBacteraides bivius に対する抗菌力はCFIXより優れていたが, CCLよりは劣っていた。また, β-lactamase非高度産生性のB. bivius にBMY-28100のMICが≧50μg/mlの耐性株が見られた。Peptostreptococcus spp. とMobiluncus spp. に対しては, BMY-28100はCFIXやCCLより強い抗菌力を示した。BMY-28100のClostridium difficile に対するMICは3.13~100μg/mlに分布し, 比較薬剤よりは強い抗菌力を有していた。B. fragilis GAI 5562 の増殖に対するBMY-28100の殺菌効果は, 1/2MIC濃度ではCFIXと同程度で, 2MICおよび4MIC濃度では, BMY-28100の方がCFIXより強い殺菌効果を示した。B. fragilis の産生するβ-lactamaseに対しては, BMY-28100はCCLよりは安定であったが, CFIXよりは不安定であった。BMY-28100投与中止後のマウス盲腸内容物の培養において, C. difficileはまったく検出されなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement3_92