著明な膵管拡張に対し膵空腸再吻合した1例

症例は53歳,女性. 1994年8月に十二指腸下行部の粘膜下腫瘍に対し幽門輪温存膵頭十二指腸切除(以下, PPPD)およびChild変法による消化管再建術を施行した. 2年後から, CTで主膵管の拡張を認めるようになり, 6年後には主膵管径3cm, 9年後には4cmと拡張が増強した.粘液産生膵腫瘍も考えられたため10年後に再手術を施行した.膵空腸吻合部の癒着は容易に分離され,膵と空腸の両者に吻合口は認められなかった.主膵管を切開すると黄白色混濁液が貯留していた.迅速組織診で膵腫瘍性病変は存在しなかったため膵空腸再吻合術を施行し経過は良好であった....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 9; pp. 2177 - 2181
Main Authors 杉本, 琢哉, 近藤, 哲矢, 山本, 淳史, 尾関, 豊, 仁田, 豊生, 林, 伸洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2006
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.2177

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Summary:症例は53歳,女性. 1994年8月に十二指腸下行部の粘膜下腫瘍に対し幽門輪温存膵頭十二指腸切除(以下, PPPD)およびChild変法による消化管再建術を施行した. 2年後から, CTで主膵管の拡張を認めるようになり, 6年後には主膵管径3cm, 9年後には4cmと拡張が増強した.粘液産生膵腫瘍も考えられたため10年後に再手術を施行した.膵空腸吻合部の癒着は容易に分離され,膵と空腸の両者に吻合口は認められなかった.主膵管を切開すると黄白色混濁液が貯留していた.迅速組織診で膵腫瘍性病変は存在しなかったため膵空腸再吻合術を施行し経過は良好であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.2177