閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して水圧法による整復を試みた5例
閉鎖孔ヘルニアの整復法として,閉鎖孔内のヘルニア嚢に水圧をかける方法(水圧法)の有用性が報告されている.われわれは2002年以降,牽引による従来の方法(牽引法)の代わりに,水圧法を積極的に施行している.当院において,過去6年間で10例の閉鎖孔ヘルニア手術があり,うち5例に水圧法の整復を試みた.腸切除は, 2例に必要であった.牽引法では死亡症例や長期入院症例があったが,水圧法では全例20日以内に軽快退院していた.水圧法は,愛護的な腸管整復によって腸切除,術野汚染,術後創感染を回避し治療成績を向上させる可能性があると推察された....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 8; pp. 1946 - 1949 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.08.2006
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.67.1946 |
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Summary: | 閉鎖孔ヘルニアの整復法として,閉鎖孔内のヘルニア嚢に水圧をかける方法(水圧法)の有用性が報告されている.われわれは2002年以降,牽引による従来の方法(牽引法)の代わりに,水圧法を積極的に施行している.当院において,過去6年間で10例の閉鎖孔ヘルニア手術があり,うち5例に水圧法の整復を試みた.腸切除は, 2例に必要であった.牽引法では死亡症例や長期入院症例があったが,水圧法では全例20日以内に軽快退院していた.水圧法は,愛護的な腸管整復によって腸切除,術野汚染,術後創感染を回避し治療成績を向上させる可能性があると推察された. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.67.1946 |