十二指腸部分切除術を実施した十二指腸球部平滑筋肉腫の2例

十二指腸平滑筋肉腫は比較的稀な疾患であり,本邦では約330例の報告があるのみである.その中でも,球部に発生する頻度は10%前後と少ない.われわれは,十二指腸球部平滑筋肉腫に対し十二指腸部分切除術を施行した2例を経験したので報告する.症例1は83歳,女性.貧血の原因精査時,十二指腸球部粘膜下腫瘍が出血源として発見され,各種画像診断により平滑筋肉腫が最も疑われたため手術を実施した.症例2は69歳,女性.十二指腸球部粘膜下腫瘍として経過観察中, 9年目の上部消化管内視鏡検査時,生検組織診により平滑筋肉腫の診断となり手術を実施した.症例1は術後52カ月,症例2は術後13カ月経過するが,無再発生存中であ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 9; pp. 2382 - 2388
Main Authors 吉見, 富洋, 鈴木, 章史, 石塚, 恒夫, 小泉, 澄彦, 板橋, 正幸, 志田, 大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2382

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Summary:十二指腸平滑筋肉腫は比較的稀な疾患であり,本邦では約330例の報告があるのみである.その中でも,球部に発生する頻度は10%前後と少ない.われわれは,十二指腸球部平滑筋肉腫に対し十二指腸部分切除術を施行した2例を経験したので報告する.症例1は83歳,女性.貧血の原因精査時,十二指腸球部粘膜下腫瘍が出血源として発見され,各種画像診断により平滑筋肉腫が最も疑われたため手術を実施した.症例2は69歳,女性.十二指腸球部粘膜下腫瘍として経過観察中, 9年目の上部消化管内視鏡検査時,生検組織診により平滑筋肉腫の診断となり手術を実施した.症例1は術後52カ月,症例2は術後13カ月経過するが,無再発生存中である.球部に腫瘍が局在していた場合,十二指腸部分切除術により充分に治療しうると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2382