分子生物学的検討も加えた遺伝性非ポリポーシス大腸癌同一家系における大腸癌2例
今回,遺伝性非ポリポーシス大腸癌同一家系内の大腸癌を2例経験した. [症例1] 41歳,男性.盲腸癌,胃癌の同時性多重癌の診断にて結腸右半切除術,胃亜全摘術を施行した.病理組織学的には盲腸の病変は高分化腺癌で壁深達度はmpであった.一方,胃の病変は高分化腺癌で壁深達度はsmであった.両病変とも所属リンパ節への転移はなかった. [症例2] 55歳,女性.他院にて43歳時にS状結腸癌(高分化腺癌,壁深達度mp)でS状結腸切除術, 47歳時に子宮体癌(高分化腺癌,壁深達度b)で子宮全摘術を受けた.横行結腸癌の診断で大腸亜全摘術(胆嚢合併切除術)を施行した.病理組織学的検討により高分化腺癌を2カ所認め...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 7; pp. 1864 - 1869 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
25.07.1998
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.59.1864 |
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| Summary: | 今回,遺伝性非ポリポーシス大腸癌同一家系内の大腸癌を2例経験した. [症例1] 41歳,男性.盲腸癌,胃癌の同時性多重癌の診断にて結腸右半切除術,胃亜全摘術を施行した.病理組織学的には盲腸の病変は高分化腺癌で壁深達度はmpであった.一方,胃の病変は高分化腺癌で壁深達度はsmであった.両病変とも所属リンパ節への転移はなかった. [症例2] 55歳,女性.他院にて43歳時にS状結腸癌(高分化腺癌,壁深達度mp)でS状結腸切除術, 47歳時に子宮体癌(高分化腺癌,壁深達度b)で子宮全摘術を受けた.横行結腸癌の診断で大腸亜全摘術(胆嚢合併切除術)を施行した.病理組織学的検討により高分化腺癌を2カ所認めた.壁深達度はssとsmであった.所属リンパ節への転移はなかった.上記2症例に対し遺伝子不安定性を検討したところ両症例ともreplication errorを認めた. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.59.1864 |