傍正中枝入口部閉塞による橋梗塞の臨床的検討
MRIを用いて橋底部傍正中枝領域の入口部閉塞症 (B群) 15例とラクネ (L群) 15例を抽出し, 臨床症状, 予後, 危険因子を比較検討した.B群では片麻痺と構語障害が必発で, 80%が進行性の経過をとった.古典的lacunar syndromeを呈した例が6例, sensorimotorstrokeが2例あった.その他の7例 (47%) はlacunar syndromeに加え初期に軽い意識障害を合併しlacunar syndromeを逸脱していた.約1/3は片麻痺が高度で予後が不良であった.L群は片麻痺が軽度で, 部分麻痺となる例が多く, 進行性経過をとる例は27%であった.全例古典的...
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Published in | 脳卒中 Vol. 17; no. 1; pp. 51 - 57 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
25.02.1995
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.17.51 |
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Summary: | MRIを用いて橋底部傍正中枝領域の入口部閉塞症 (B群) 15例とラクネ (L群) 15例を抽出し, 臨床症状, 予後, 危険因子を比較検討した.B群では片麻痺と構語障害が必発で, 80%が進行性の経過をとった.古典的lacunar syndromeを呈した例が6例, sensorimotorstrokeが2例あった.その他の7例 (47%) はlacunar syndromeに加え初期に軽い意識障害を合併しlacunar syndromeを逸脱していた.約1/3は片麻痺が高度で予後が不良であった.L群は片麻痺が軽度で, 部分麻痺となる例が多く, 進行性経過をとる例は27%であった.全例古典的lacunar syndromeの範疇に入った.予後は極めて良好であった。危険因子としてはB群においては高血圧の他に糖尿病, 脂質異常の関与が推定された.両者の差異は, B群の多くがbranch atheromatous diseaseよるものであり, ラクネに比べ梗塞巣が広く, 徐々に虚血が生じることによると考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.17.51 |