胆嚢壁内angitis carcinomatosaを伴った乳癌肝転移の1例
胆嚢壁内angitis carcinomatosaを伴った乳癌肝転移の1例を経験したので,考察を加えて報告する.症例は48歳,女性.平成5年に右乳癌にて手術を施行.組織学的にはinvasive ductal carcinomaであった.平成9年4月の画像診断で肝転移を認めた.胆嚢には著変はなかった.肝部分切除術 (S5) を施行したが,術中の検索で微小多発肝転移を認めたため,胆嚢摘出術および肝動脈内カテーテル留置を併施した.摘出胆嚢の病理組織検査で胆嚢壁内angitis carcinomatosaの診断であった. 乳癌の胆嚢転移への臨床報告例は国内外で7例だが,術前に乳癌からの胆嚢転移と診断さ...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 7; pp. 1883 - 1887 | 
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| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        25.07.1999
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.60.1883 | 
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| Summary: | 胆嚢壁内angitis carcinomatosaを伴った乳癌肝転移の1例を経験したので,考察を加えて報告する.症例は48歳,女性.平成5年に右乳癌にて手術を施行.組織学的にはinvasive ductal carcinomaであった.平成9年4月の画像診断で肝転移を認めた.胆嚢には著変はなかった.肝部分切除術 (S5) を施行したが,術中の検索で微小多発肝転移を認めたため,胆嚢摘出術および肝動脈内カテーテル留置を併施した.摘出胆嚢の病理組織検査で胆嚢壁内angitis carcinomatosaの診断であった. 乳癌の胆嚢転移への臨床報告例は国内外で7例だが,術前に乳癌からの胆嚢転移と診断されたものはなく,いずれの症例も術後の病理組織診断ではじめて転移性病変と判明している.悪性疾患の治療歴のある症例においては転移も考慮に入れた術前術後の綿密な検討が肝要であると考えられた. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.60.1883 |