後天性von Willebrand病に発症したS状結腸癌の1例

術前検査にて後天性von Willebrand (vW)病と診断され,術中術後のvW因子含有第VIII因子濃縮製剤(®Confact F)投与により良好な止血管理が得られたS状結腸癌の1例を経験した.症例は78歳,男性. 67歳時に前立腺切除術を行った際に異常出血を認め,精査にてvW病を指摘されていた.平成16年7月下血を主訴に近医受診し, S状結腸癌を指摘された.術前の血液凝固因子輸注試験においてvW因子活性の半減期が短いことより,後天性のvW病と診断した.術中術後にリストセチンコファクター(RCo)活性を40%以上に保つため,第12病日までConfact F製剤の持続投与を行い,第VIII...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 9; pp. 2236 - 2241
Main Authors 勝又, 健次, 青木, 達哉, 原田, 明日香, 土田, 明彦, 森, 康治, 遠藤, 光史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.2236

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Summary:術前検査にて後天性von Willebrand (vW)病と診断され,術中術後のvW因子含有第VIII因子濃縮製剤(®Confact F)投与により良好な止血管理が得られたS状結腸癌の1例を経験した.症例は78歳,男性. 67歳時に前立腺切除術を行った際に異常出血を認め,精査にてvW病を指摘されていた.平成16年7月下血を主訴に近医受診し, S状結腸癌を指摘された.術前の血液凝固因子輸注試験においてvW因子活性の半減期が短いことより,後天性のvW病と診断した.術中術後にリストセチンコファクター(RCo)活性を40%以上に保つため,第12病日までConfact F製剤の持続投与を行い,第VIII因子凝固活性およびRCo活性を良好に保ち止血管理が可能であった. 後天性vW病に対する全身麻酔下大手術症例報告は,本邦では2例目であり若干の考察を交えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.2236