栄養関連大学院修士(博士前期)課程における「管理栄養士としての資質・能力」を高める教育の実施と修得状況

【目的】栄養関連大学院修士(博士前期)課程(以下,大学院)の「管理栄養士としての資質・能力」を高める教育の実施と大学院修了時の修得者割合を調べ,管理栄養士養成課程(以下,養成課程)の学生との比較によりその現状を検討する。【方法】2017年8月に,管理栄養士養成施設144施設(4年制大学137,専門学校7)のうち大学院を設置している83校に「管理栄養士養成施設に設置されている大学院に関する基礎調査」を郵送し,研究科長等へ記入を依頼した。有効回答数は65校(78.3%)であった。「管理栄養士としての資質・能力(10項目)」を高める教育の実施有無,および大学院修了時の修得者割合を調べ,同じ調査を行っ...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 77; no. Supplement; pp. S35 - S43
Main Authors 朝見, 祐也, 長幡, 友実, 永井, 成美, 奥村, 仙示, 木村, 典代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.12.2019
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.77.S35

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Summary:【目的】栄養関連大学院修士(博士前期)課程(以下,大学院)の「管理栄養士としての資質・能力」を高める教育の実施と大学院修了時の修得者割合を調べ,管理栄養士養成課程(以下,養成課程)の学生との比較によりその現状を検討する。【方法】2017年8月に,管理栄養士養成施設144施設(4年制大学137,専門学校7)のうち大学院を設置している83校に「管理栄養士養成施設に設置されている大学院に関する基礎調査」を郵送し,研究科長等へ記入を依頼した。有効回答数は65校(78.3%)であった。「管理栄養士としての資質・能力(10項目)」を高める教育の実施有無,および大学院修了時の修得者割合を調べ,同じ調査を行った養成課程学生の結果と比較した。なお本調査は,厚生労働省平成29年度管理栄養士専門分野別人材育成事業「教育養成領域での人材育成」の一環として日本栄養改善学会が実施した。【結果】教育の実施割合は,大学院では養成課程と比べて「管理栄養士の使命感と役割」,「異なる分野の人とのコミュニケーション力」,「リーダーシップ」,「マネジメント能力」,「協調性」が有意に低かった。一方,修得者割合は,大学院では養成課程と比べて「論理的な思考力」,「資料と文献の検索力と読解力」,「リーダーシップ」が有意に高かった。【結論】大学院では,養成課程学生と比較して,「管理栄養士としての資質・能力」のうち,研究を実施する上で必要とされる項目の修得者割合が高いことが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.77.S35