慢性甲状腺炎の甲状腺スキヤン像

• Published in: 医療 Vol. 30; no. 7; pp. 596 - 602
• Main Authors: 杉原, 政美, 道岸, 隆敏, 窪田, 昭男, 加藤, 外栄, 分校, 久志, 立野, 育郎, 久田, 欣一, 伊藤, 和夫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 国立医療学会 1976
• ISSN: 0021-1699; 1884-8729
• DOI: 10.11261/iryo1946.30.596

昭和47年1月より昭和50年5月までに, 針生検にて組織学的確定診断のなされた慢性甲状腺炎35例の甲状腺スキヤン像について検討し, 以下の結果を得た. a)慢性甲状腺炎の甲状腺スキヤン像を甲状腺内RI分布より4型に分類すると, 均一分布のI型8例(23%), 不均一分布のII型13例(37%), 明らかな欠損像のIIIa型10例(29%)及び疑欠損像のIIIb型4例(11%)であつた. b)使用したスキヤン像は131I-スキヤン23例(66%), 99mTc-スキヤン12例(34%)で, II型の131I-uptakeは4%～42%で平均24.5%であつた. 10%以下は1例で, Mottled typeは甲状腺内RI-activityの低下によるものではない. c)検査時の甲状腺機能状態は正常30例, 低下4例, 亢進1例であった. d)抗甲状腺グロブリン抗体は, II型, IIIa型で高く, I型, IIIb型で低かつた. e)甲状腺癌の合併は2例で, IIIa型であつた.