ミダゾラム・ベクロニウム混合,少量バルビツレート投与による急速導入法

要旨より安全かつ円滑な導入をめざしてミダゾラムとベクロニウムの混合液を投与し,さらに少量の超短時間性バルビツレートを加えた急速導入法を試みた.300例に対し,年齢・体重に関係なく,(1)ミダゾラム3mg・ベクロニウム3mg (group 1),(2)ミダゾラム4mg・ベクロニウム4mg (group 2)および(3)ミダゾラム5mg・ベクロニウム5mg (group 3)の三群各100例に分け,全例にサイアミラール125mgを加えて導入開始から3分後に気管内挿管を行なった.導入時のバッキングの発生頻度は,group 1が39%,group 2が34%,group 3が15%で,group 1お...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 17; no. 4; pp. 251 - 255
Main Authors 河田, 圭司, 古賀, 義久, 東澤, 知輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.1997
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.17.251

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Summary:要旨より安全かつ円滑な導入をめざしてミダゾラムとベクロニウムの混合液を投与し,さらに少量の超短時間性バルビツレートを加えた急速導入法を試みた.300例に対し,年齢・体重に関係なく,(1)ミダゾラム3mg・ベクロニウム3mg (group 1),(2)ミダゾラム4mg・ベクロニウム4mg (group 2)および(3)ミダゾラム5mg・ベクロニウム5mg (group 3)の三群各100例に分け,全例にサイアミラール125mgを加えて導入開始から3分後に気管内挿管を行なった.導入時のバッキングの発生頻度は,group 1が39%,group 2が34%,group 3が15%で,group 1および2でgroup 3と比較して多かった.ミダゾラムが原因と考えられる覚醒遅延に対するフルマゼニールの使用頻度は,group 1が9%,group 2が11%,group 3が16%とgroup 3がgroup 1と比較して多かった.平均血圧および脈拍数は三群ともに挿管に伴って上昇したが,いずれも導入前値と比較して20mmHg以内あるいは20回/分以内と安定していた.これらの結果から,ミダゾラム・ベクロニウム同時投与,とりわけミダゾラム4mg+ベクロニウム4mgに少量のサイアミラールを加えた急速導入は,年齢・体重を考慮せずに行なえる安全,確実かつスムーズな導入法であると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.17.251