大動脈弁位19mm二葉弁における遠隔成績

大動脈弁位19mm二葉弁術後5~10年の遠隔期心機能および予後について検討した.術後10年以上(最長16年)10例と,術後5~9年まで(最長9年)の7例,計17例を対象とし予後について検討した.さらに心臓超音波断層法を施行しえた10年以上および5年以上経過の各6例でLVEF,%FS,LVDd,LVDs,PWT,IVST,人工弁圧較差(PG)をそれぞれ計測し,左室心筋重量(LVm)および体表面積(BSA)を加味した左室心筋重量係数(LVMI)を算出した.圧較差では10年以上および5年以上の両群とも高値となる症例もあったが,心機能に関しては保たれNYHAの悪化もなかった.圧較差が高値だった症例はB...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 243 - 246
Main Authors 小山, 邦広, 足立, 孝, 桑田, 裕美, 横山, 正義, 宮野, 裕, 松本, 卓子, 新田, 澄郎, 大貫, 恭正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.07.2002
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.31.243

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Summary:大動脈弁位19mm二葉弁術後5~10年の遠隔期心機能および予後について検討した.術後10年以上(最長16年)10例と,術後5~9年まで(最長9年)の7例,計17例を対象とし予後について検討した.さらに心臓超音波断層法を施行しえた10年以上および5年以上経過の各6例でLVEF,%FS,LVDd,LVDs,PWT,IVST,人工弁圧較差(PG)をそれぞれ計測し,左室心筋重量(LVm)および体表面積(BSA)を加味した左室心筋重量係数(LVMI)を算出した.圧較差では10年以上および5年以上の両群とも高値となる症例もあったが,心機能に関しては保たれNYHAの悪化もなかった.圧較差が高値だった症例はBSAが1.53m2以上であった.LVMIは遠隔期で増加傾向を示した.19mm AVRは症例を選択すれば遠隔期においても良好なQOLを得られると考えるが,圧較差の増加やLVMI増加の可能性もあるため注意深い精査観察が必要である.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.31.243