PTP (press through package) 包装誤飲により発生した小腸穿孔性腹膜炎の1例

症例は69歳,女性.昭和52年に子宮癌で広汎子宮全摘術を施行され,術後放射線治療を受けた.平成8年1月,左上腹部痛を主訴に当院受診した.腹部単純X線上niveauを認めたため,腸閉塞症の診断にて入院となった.腹膜炎症状が認められなかったため, ileus tubeを挿入した.入院後2日目になって患者自らileus tubeを切断したため,以降保存的に経過をみていた.入院7日目にX線上tubeの移動がみられなくなったため, ileus解除・ileus tube抜去の目的で開腹手術を施行した.その結果,薬剤包装用PTPが原因となった穿孔性腹膜炎による腸閉塞であったことが判明した.手術は穿孔部を含め...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 3; pp. 817 - 821
Main Authors 桜井, 健一, 福澤, 正洋, 森, 健一郎, 秦, 怜志, 柴田, 昌彦, 大原, 守貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.03.1999
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.817

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Summary:症例は69歳,女性.昭和52年に子宮癌で広汎子宮全摘術を施行され,術後放射線治療を受けた.平成8年1月,左上腹部痛を主訴に当院受診した.腹部単純X線上niveauを認めたため,腸閉塞症の診断にて入院となった.腹膜炎症状が認められなかったため, ileus tubeを挿入した.入院後2日目になって患者自らileus tubeを切断したため,以降保存的に経過をみていた.入院7日目にX線上tubeの移動がみられなくなったため, ileus解除・ileus tube抜去の目的で開腹手術を施行した.その結果,薬剤包装用PTPが原因となった穿孔性腹膜炎による腸閉塞であったことが判明した.手術は穿孔部を含めた回腸を切除し,切除部よりileus tubeを抜去後,腸管の端々吻合術およびドレナージ術を施行した. 今後,高齢化社会にむけて薬剤包装様式の工夫が必要と思われる.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.817