原発性胆汁性肝硬変に対する bezafibrate の長期投与効果

原発性胆汁性肝硬変 (PBC) に対し bezafibrate を12カ月以上, 最長8年の長期にわたり投与し, その効果について解析した. 対象は男性5例, 女性8例, 計13例. 年齢中央値59歳, 観察期間は1-11年 (中央値6.0年), 13例中12例は無症候性PBCであった. UDCA単独治療群 (n=6) におけるアルカリフォスファターゼ (ALP) 値の低下率は22.2%であったのに対し, bezafibrate では単独 (n=5), 併用ないし追加群 (n=4) においてはそれぞれ74.7%, 65.8%と共に明らかなALP低下作用が認められた. このALP低下作用は長期に...

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Published in肝臓 Vol. 43; no. 2; pp. 115 - 120
Main Authors 加藤, 浩之, 古河, 隆二, 森田, 茂樹, 矢野, 公士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.02.2002
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.43.115

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Summary:原発性胆汁性肝硬変 (PBC) に対し bezafibrate を12カ月以上, 最長8年の長期にわたり投与し, その効果について解析した. 対象は男性5例, 女性8例, 計13例. 年齢中央値59歳, 観察期間は1-11年 (中央値6.0年), 13例中12例は無症候性PBCであった. UDCA単独治療群 (n=6) におけるアルカリフォスファターゼ (ALP) 値の低下率は22.2%であったのに対し, bezafibrate では単独 (n=5), 併用ないし追加群 (n=4) においてはそれぞれ74.7%, 65.8%と共に明らかなALP低下作用が認められた. このALP低下作用は長期にわたって認められた. 特記すべき副作用の出現は認めなかった. bezafibrate は長期にわたってALP低下作用を発揮することから, PBCの治療薬として有効な薬剤であることが示唆された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.43.115