術後2年間無再発生存が得られている横隔膜原発悪性線維性組織球腫の1例

症例は65歳男性.右側腹部皮下腫瘤の触知を主訴に来院した.血液生化学検査上異常値は認められず,腹部CT所見上,肝右葉を圧排する内部均一な造影効果のない腫瘍を認めた.全身検索において明らかな原発病変が認められなかったので手術に先立ち生検を行ったが,腎細胞癌を疑われたものの,確定診断はつかなかった.手術時の所見では,腫瘍は横隔膜原発で,右第11肋骨への浸潤も認められたが,右腎周囲脂肪組織も含めて一塊に切除することができた.病理組織学検査の結果はstoriform/pleomorphicタイプの悪性線維性組織球腫で,切除断端は陰性であった.術後化学療法(DXR+CDDR+IFM)を1コース施行したが...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 2; pp. 350 - 354
Main Authors 芝木, 泰一郎, 森本, 典雄, 熱田, 義顕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.350

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Summary:症例は65歳男性.右側腹部皮下腫瘤の触知を主訴に来院した.血液生化学検査上異常値は認められず,腹部CT所見上,肝右葉を圧排する内部均一な造影効果のない腫瘍を認めた.全身検索において明らかな原発病変が認められなかったので手術に先立ち生検を行ったが,腎細胞癌を疑われたものの,確定診断はつかなかった.手術時の所見では,腫瘍は横隔膜原発で,右第11肋骨への浸潤も認められたが,右腎周囲脂肪組織も含めて一塊に切除することができた.病理組織学検査の結果はstoriform/pleomorphicタイプの悪性線維性組織球腫で,切除断端は陰性であった.術後化学療法(DXR+CDDR+IFM)を1コース施行したが, 2年を経た現在,明らかな再発無く外来において経過観察を続けている.より根治性の高い切除が長期予後に関して重要な因子であることが示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.350