急性アルコール投与ラットの肝再生におけるImmunoreactive Ornithine Decarboxylaseの変動と性差について

肝再生の鋭敏な指標であるornithine decarboxylase (ODC)活性とimmunoreactive ODC (IR-ODC)蛋白量を測定しethanol (EtOH)の肝再生抑制作用に及ぼす性差の影響を検討した.体重180gのSD系雄・雌ratにHigginsの方法で肝部分切除を行い,直後にEtOHを5g/kg (E群),等calorieの糖液(C群)投与な行い,0, 4, 8, 12, 24時間後に肝重量,総蛋白量,DNA合成の指標として3H-Thymidineの取り込み,肝可溶性分画のODC活性とIR-ODC蛋白量を測定した.肝重量,総蛋白量の増加及びDNAの合成の亢進は...

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Published in肝臓 Vol. 31; no. 6; pp. 610 - 616
Main Authors 中原, 正雄, 大畑, 充, 亀田, 治男, 北原, 敏久, 中山, 一, 中島, 尚登, 藤沢, 洌, 山内, 眞義, 平川, 淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1990
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.31.610

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Summary:肝再生の鋭敏な指標であるornithine decarboxylase (ODC)活性とimmunoreactive ODC (IR-ODC)蛋白量を測定しethanol (EtOH)の肝再生抑制作用に及ぼす性差の影響を検討した.体重180gのSD系雄・雌ratにHigginsの方法で肝部分切除を行い,直後にEtOHを5g/kg (E群),等calorieの糖液(C群)投与な行い,0, 4, 8, 12, 24時間後に肝重量,総蛋白量,DNA合成の指標として3H-Thymidineの取り込み,肝可溶性分画のODC活性とIR-ODC蛋白量を測定した.肝重量,総蛋白量の増加及びDNAの合成の亢進は,特に雌のE群で有意に抑制された.肝ODC活性とIR-ODC蛋白量は平行して2峰性に変動したが,4時間後には雌のE群で有意に(p<0.05)減少し,8時間では雄・雌共E群で有意に減少した.以上の成績から,雌E群では雄E群に比べて,EtOH投与による肝再生の抑制は有意であり,IR-ODC蛋白量は肝再生の良い指標であることが明らかになった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.31.610