頭蓋内出血を伴う妊婦の麻酔管理

頭蓋内出血を伴った妊婦7例の麻酔管理について検討した.全身麻酔下に脳動脈瘤手術を行なった2例は,血圧の変動を少なくし,低酸素血症を避け軽度過換気とすることにより,過度の子宮収縮,胎児仮死などの異常をきたさなかった.児の娩出には全例で帝王切開術(5例は全身麻酔,2例は伝達麻酔)を行なった.双胎を含む8例中,2例は胎児死亡であった.出生した6症例のすべてに出生直後気管内挿管が必要であった. 妊婦の脳外科手術や帝王切開術の麻酔管理では母体の呼吸および循環動態の安定をはかり,帝王切開術時には出生児の呼吸管理が直ちに行えることが重要である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 11; no. 3; pp. 365 - 368
Main Authors 内田, 整, 畔, 政和, 北村, 豊, 高木, 治, 林, 行雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 1991
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.11.365

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Summary:頭蓋内出血を伴った妊婦7例の麻酔管理について検討した.全身麻酔下に脳動脈瘤手術を行なった2例は,血圧の変動を少なくし,低酸素血症を避け軽度過換気とすることにより,過度の子宮収縮,胎児仮死などの異常をきたさなかった.児の娩出には全例で帝王切開術(5例は全身麻酔,2例は伝達麻酔)を行なった.双胎を含む8例中,2例は胎児死亡であった.出生した6症例のすべてに出生直後気管内挿管が必要であった. 妊婦の脳外科手術や帝王切開術の麻酔管理では母体の呼吸および循環動態の安定をはかり,帝王切開術時には出生児の呼吸管理が直ちに行えることが重要である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.11.365