CAPDカテーテル留置手技とカテーテルに起因する合併症

CAPD療法には長期間、安全に機能するperitoneal accessが不可欠であるが、それに伴う合併症は決して少なくない。我々は今までにCAPDカテーテル留置手技に幾つかの工夫を加えて来た。今回それらの手技とカテーテルに伴う合併症について検討を行った。CAPD療法のために1~83才までの40例にのべ59回のカテーテル挿入を行ったがカテーテルに起因する合併症の主なものはカテーテル閉塞と出口部及びトンネル感染であった。カテーテル閉塞はカテーテルの腹腔内遊走と大綱のからみが原因であり、予防的大綱切除とカール型テンコフカテーテル使用によりこの問題は非常に少なくなった。カフの突出、出口部感染はカテー...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 3; pp. 1284 - 1287
Main Authors 横田, 真二, 熊野, 和雄, 酒井, 糾, 小林, 健一, 篠原, 克人, 清水, 辰雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1986
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.15.1284

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Summary:CAPD療法には長期間、安全に機能するperitoneal accessが不可欠であるが、それに伴う合併症は決して少なくない。我々は今までにCAPDカテーテル留置手技に幾つかの工夫を加えて来た。今回それらの手技とカテーテルに伴う合併症について検討を行った。CAPD療法のために1~83才までの40例にのべ59回のカテーテル挿入を行ったがカテーテルに起因する合併症の主なものはカテーテル閉塞と出口部及びトンネル感染であった。カテーテル閉塞はカテーテルの腹腔内遊走と大綱のからみが原因であり、予防的大綱切除とカール型テンコフカテーテル使用によりこの問題は非常に少なくなった。カフの突出、出口部感染はカテーテルの皮下トンネル部を贋の周囲に回して長くし、第2カフより皮フ出口部までの距離を5~7cmと長くする事により、その発生頻度は極端に減少した。予防的大綱切除と長い皮下トンネル作製はカテーテルに伴う合併症を減少させるのに役立つと思われる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.1284