特異的な抗体反応を示したC型慢性肝炎の1例

インターフェロン (IFN) 療法に抵抗し, 特異的な抗体反応を示したC型慢性肝炎の1例を経験した. 症例は18歳の女性で, 15歳時に急性リンパ性白血病と診断され, 寛解導入および末梢血幹細胞移植時に頻回に輸血を受けた. その頃よりトランスアミナーゼ値の多峰性の変動がみられ, C型慢性肝炎と診断し, 白血病の完全寛解後にIFN療法を行った. しかし, IFN投与中および投与終了後もトランスアミナーゼ値は正常化せず, HCV-RNA量も全く減少しなかった. 本例ではHCV抗体の産生能が低く, この免疫異常がIFN療法に影響を与えた可能性がある....

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Published in肝臓 Vol. 38; no. 3; pp. 166 - 171
Main Authors 小松, 陽樹, 尾上, 昌弘, 乾, あやの, 宮川, 芳宏, 藤沢, 知雄, 黒木, 康富, 茂木, 陽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.03.1997
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.38.166

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Summary:インターフェロン (IFN) 療法に抵抗し, 特異的な抗体反応を示したC型慢性肝炎の1例を経験した. 症例は18歳の女性で, 15歳時に急性リンパ性白血病と診断され, 寛解導入および末梢血幹細胞移植時に頻回に輸血を受けた. その頃よりトランスアミナーゼ値の多峰性の変動がみられ, C型慢性肝炎と診断し, 白血病の完全寛解後にIFN療法を行った. しかし, IFN投与中および投与終了後もトランスアミナーゼ値は正常化せず, HCV-RNA量も全く減少しなかった. 本例ではHCV抗体の産生能が低く, この免疫異常がIFN療法に影響を与えた可能性がある.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.38.166