抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体陽性の大脳皮質脳炎の1例
症例は27歳男性.頭痛,発熱,失語,全身痙攣が出現し入院した.髄液細胞数増多(205/μl)と蛋白上昇(84 mg/dl)を認め,頭部MRIでは左大脳半球の皮質が腫脹し,FLAIR高信号域を呈していた.MRAでは左中大脳動脈が拡張していた.入院後,精神運動興奮状態に至ったが,抗精神病薬,ステロイドパルス療法と経口ステロイド剤で加療し,神経症状は軽快し,第52病日に退院した.第86病日にはFLAIR高信号域も消失していた.血清抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体陽性であったことから抗MOG抗体陽性の大脳皮質脳炎と診断した.抗アクアポリン4抗体と抗...
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| Published in | 臨床神経学 Vol. 58; no. 12; pp. 767 - 770 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経学会
2018
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001224 |
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| Summary: | 症例は27歳男性.頭痛,発熱,失語,全身痙攣が出現し入院した.髄液細胞数増多(205/μl)と蛋白上昇(84 mg/dl)を認め,頭部MRIでは左大脳半球の皮質が腫脹し,FLAIR高信号域を呈していた.MRAでは左中大脳動脈が拡張していた.入院後,精神運動興奮状態に至ったが,抗精神病薬,ステロイドパルス療法と経口ステロイド剤で加療し,神経症状は軽快し,第52病日に退院した.第86病日にはFLAIR高信号域も消失していた.血清抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体陽性であったことから抗MOG抗体陽性の大脳皮質脳炎と診断した.抗アクアポリン4抗体と抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体抗体は陰性であった.発症8か月時点で再燃していない.原因不明の急性発症の大脳皮質脳炎では,抗MOG抗体が何らかの役割をもつ可能性が推察された. |
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001224 |