小児再帰型ITPの臨床病態に関する研究

小児ITP治療研究会に参加している施設に調査用紙を送付し, 小児再帰型ITP症例の臨床病態を解析した.1990年から1995年までの6年間にこれらの施設で経験された全ITP740例の中で再帰型ITPの頻度は, 3.0%であった.一方, 1980年から1995年までに各施設で経験された再帰型ITP症例40例のうち二次調査に対する回答が得られた30例についての解析で, 各症例の背景 (性別, 生年月日, 既往歴, 家族歴), 各発症エピソードの内容 (発症回数, 発症年月日, 先行感染, 合併症, 治療内容など) および検査データに関して, 再帰型と急性型の間に臨床病態上明らかな相違点は認められな...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 13; no. 5; pp. 353 - 359
Main Authors 宮崎, 澄雄, 七野, 浩之, 別所, 文雄, 白幡, 聡, 酒井, 道生, 赤塚, 順一, 小西, 省三郎, 藤沢, 康司, 大川, 洋二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.10.1999
Online AccessGet full text
ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.13.353

Cover

More Information
Summary:小児ITP治療研究会に参加している施設に調査用紙を送付し, 小児再帰型ITP症例の臨床病態を解析した.1990年から1995年までの6年間にこれらの施設で経験された全ITP740例の中で再帰型ITPの頻度は, 3.0%であった.一方, 1980年から1995年までに各施設で経験された再帰型ITP症例40例のうち二次調査に対する回答が得られた30例についての解析で, 各症例の背景 (性別, 生年月日, 既往歴, 家族歴), 各発症エピソードの内容 (発症回数, 発症年月日, 先行感染, 合併症, 治療内容など) および検査データに関して, 再帰型と急性型の間に臨床病態上明らかな相違点は認められなかった.また, 再発1回のみの症例と頻回再発例の相違や発症回数ごとの病態の違いも明らかではなかった.以上より, 初回発症時の臨床像のみから再帰型ITPと急性ITPを区別することは困難と考えられた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.13.353