食餌性小腸イレウスの4例

当院で経験した食餌性小腸イレウス4例について文献的考察を加えて検討した.症例1は直腸癌のため直腸切断術の既往を有する80歳女性で,回腸末端より20cm口側で多量の未消化の昆布による閉塞を認めた.症例2は子宮癌のため子宮摘出術の既往を有する82歳女性で, CTで小腸内に異物像を認めた.回腸末端より60cm口側に梅の実による閉塞を認めた.症例3は手術歴のない56歳男性で,回腸未端より100cm口側に未消化の肉片による閉塞を認めた.症例4は手術歴のない61歳女性で, CTで小腸内に異物像を認めた. Treitz靱帯から170cm肛門側で未消化の椎茸による閉塞を認めた.全4例とも胃切除の既往はなかった...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 83 - 87
Main Authors 竹尾, 正彦, 小西, 豊, 小縣, 正明, 原田, 武尚, 山本, 満雄, 仲本, 嘉彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.01.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.83

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Summary:当院で経験した食餌性小腸イレウス4例について文献的考察を加えて検討した.症例1は直腸癌のため直腸切断術の既往を有する80歳女性で,回腸末端より20cm口側で多量の未消化の昆布による閉塞を認めた.症例2は子宮癌のため子宮摘出術の既往を有する82歳女性で, CTで小腸内に異物像を認めた.回腸末端より60cm口側に梅の実による閉塞を認めた.症例3は手術歴のない56歳男性で,回腸未端より100cm口側に未消化の肉片による閉塞を認めた.症例4は手術歴のない61歳女性で, CTで小腸内に異物像を認めた. Treitz靱帯から170cm肛門側で未消化の椎茸による閉塞を認めた.全4例とも胃切除の既往はなかったが,歯牙の大半の欠損を認めた.イレウスの診断では常に食餌性小腸イレウスの存在を念頭に置き,食餌内容や食餌習慣の詳細な問診,歯牙の状態の観察, CT検査などによる異物像の発見に留意することが重要であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.83