狭窄管の形状が赤血球破壊に与える影響の検討

血液流路の形状が血液の破壊に与える影響を検討するため, 狭窄管の性状に対する牛新鮮血の赤血球破壊(溶血)を比較した. まず、内径10mmの管路に対して内径5mm(面積比:1/4), 長さ15mmの急縮小, 急拡大の管路をコントロールとした. 狭窄管の流入側に20°のテーパ, あるいは, エッジにR=0.5mmの丸みを付すことにより赤血球破壊がそれぞれコントロールの20%, 35%に抑えられた. 狭窄部入り口付近の管路内表面粗さRa=1.35μmの場合, Ra=0.54μmに比べ6倍以上の溶血量を示した. 一方, 狭窄入り口部の形状が急縮小であっても, 表面粗さがRa=0.54μmの場合には溶血...

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Published in人工臓器 Vol. 23; no. 3; pp. 559 - 563
Main Authors 藤枡, 裕実, 木島, 利彦, 周, 徳華, 梅津, 光生, 野川, 淳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1994
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.23.559

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Summary:血液流路の形状が血液の破壊に与える影響を検討するため, 狭窄管の性状に対する牛新鮮血の赤血球破壊(溶血)を比較した. まず、内径10mmの管路に対して内径5mm(面積比:1/4), 長さ15mmの急縮小, 急拡大の管路をコントロールとした. 狭窄管の流入側に20°のテーパ, あるいは, エッジにR=0.5mmの丸みを付すことにより赤血球破壊がそれぞれコントロールの20%, 35%に抑えられた. 狭窄部入り口付近の管路内表面粗さRa=1.35μmの場合, Ra=0.54μmに比べ6倍以上の溶血量を示した. 一方, 狭窄入り口部の形状が急縮小であっても, 表面粗さがRa=0.54μmの場合には溶血は少量にとどまった. 狭窄部の圧力損失の大きさと溶血量には相関関係は見られなかった. 以上の実験結果より, 溶血抑制のための管路性状の重要性が示唆された.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.23.559