関節拘縮が筋炎の顕在化に先行した若年成人発症の抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体陽性皮膚筋炎の1例
症例は23歳男性.18歳より両手の手指の関節拘縮に気づき,22歳より筋力低下と筋萎縮が出現した.皮疹,関節拘縮,嚥下障害,四肢体幹の筋力低下と著明な筋萎縮を認めた.間質性肺炎や悪性腫瘍はなく,腱のCT値の上昇を認めた.筋生検では筋束辺縁部萎縮を認めたが,リンパ球の浸潤はめだたなかった.血清抗体検査から,抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体陽性皮膚筋炎と診断した.ステロイド治療で,皮疹や球麻痺症状は速やかに消失したが,筋力低下や関節拘縮は残存した.若年成人発症で関節拘縮が4年間も先行した抗NXP-2抗体陽性皮膚筋炎の報告はなく,鑑別上重要である....
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Published in | 臨床神経学 Vol. 64; no. 6; pp. 417 - 421 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001970 |
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Summary: | 症例は23歳男性.18歳より両手の手指の関節拘縮に気づき,22歳より筋力低下と筋萎縮が出現した.皮疹,関節拘縮,嚥下障害,四肢体幹の筋力低下と著明な筋萎縮を認めた.間質性肺炎や悪性腫瘍はなく,腱のCT値の上昇を認めた.筋生検では筋束辺縁部萎縮を認めたが,リンパ球の浸潤はめだたなかった.血清抗体検査から,抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体陽性皮膚筋炎と診断した.ステロイド治療で,皮疹や球麻痺症状は速やかに消失したが,筋力低下や関節拘縮は残存した.若年成人発症で関節拘縮が4年間も先行した抗NXP-2抗体陽性皮膚筋炎の報告はなく,鑑別上重要である. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001970 |