脳アミロイド小体とアルツハイマー型認知症の関連
本研究では,脳アミロイド小体(CA)の由来,脳CAとアルツハイマー型認知症の関連を調べ,認知症評価の指標とすることを目的とした。徳島大学法医学教室において法医解剖を行った症例のうち,死後経過時間が48時間以内であるものを対象とし,海馬周辺組織にHE染色,免疫染色,ガリアス・ブラーク(GB)染色を施した。免疫染色の結果,脳 CAでユビキチン陽性,ニューロフィラメント陽性であったことから,脳CAは蛋白の処理系由来の成分を含有すること,さらに,その蛋白が神経細胞由来であることが示唆された。GB染色によってブラークステージを決定し,脳CAと神経原線維変化および老人斑との相関を調べた。男性の症例において...
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| Published in | 四国医学雑誌 Vol. 80; no. 5.6; pp. 215 - 222 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
徳島医学会
2025
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| ISSN | 0037-3699 2758-3279 |
| DOI | 10.57444/shikokuactamedica.80.5.6_215 |
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| Summary: | 本研究では,脳アミロイド小体(CA)の由来,脳CAとアルツハイマー型認知症の関連を調べ,認知症評価の指標とすることを目的とした。徳島大学法医学教室において法医解剖を行った症例のうち,死後経過時間が48時間以内であるものを対象とし,海馬周辺組織にHE染色,免疫染色,ガリアス・ブラーク(GB)染色を施した。免疫染色の結果,脳 CAでユビキチン陽性,ニューロフィラメント陽性であったことから,脳CAは蛋白の処理系由来の成分を含有すること,さらに,その蛋白が神経細胞由来であることが示唆された。GB染色によってブラークステージを決定し,脳CAと神経原線維変化および老人斑との相関を調べた。男性の症例においてのみ有意な正の相関を認め,女性の症例では相関を認めなかった。よって,強い正の相関を認めた男性の症例においては,GB染色を用いたブラーク分類の,前段階の簡易的な検査として,HE染色の脳CAの数で評価できる可能性が示唆された。 |
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| ISSN: | 0037-3699 2758-3279 |
| DOI: | 10.57444/shikokuactamedica.80.5.6_215 |