第7回体表心臓微小電位研究会 心室頻拍予測因子としての心室遅延電位,QT間隔dispersionおよび左心機能の検討
目的: 器質的心疾患患者において, 心室遅延電位(LP)とQTc dispersion(QTcD)の関係を検討し,心室頻拍(VT)出現の予知における信頼性を検討すること.方法:対象は器質的心疾患患者117例(男/女:86/31,平均年齢:63±10歳)である.加算平均心電図よりLPの有無を検討し,標準12誘導心電図よりQTcD(最大QTc-最小QTc)を求めた.さらに,心臓超音波検査にて左室駆出率(EF)を求め,Holter心電図よりVT(3連発以上)の有無を検討した.LP陽性,QTcD>65msec,EF<50%を異常と定義した.結果:(1)LP陽性群(37例)と陰性群(80例)...
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| Published in | 心臓 Vol. 29; no. Supplement6; pp. 37 - 40 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1997
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo1969.29.Supplement6_37 |
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| Summary: | 目的: 器質的心疾患患者において, 心室遅延電位(LP)とQTc dispersion(QTcD)の関係を検討し,心室頻拍(VT)出現の予知における信頼性を検討すること.方法:対象は器質的心疾患患者117例(男/女:86/31,平均年齢:63±10歳)である.加算平均心電図よりLPの有無を検討し,標準12誘導心電図よりQTcD(最大QTc-最小QTc)を求めた.さらに,心臓超音波検査にて左室駆出率(EF)を求め,Holter心電図よりVT(3連発以上)の有無を検討した.LP陽性,QTcD>65msec,EF<50%を異常と定義した.結果:(1)LP陽性群(37例)と陰性群(80例)間で,QTcD(62±34msec vs57±23msec)およびEF(64±15%vs66±13%)は有意差を認めなかった.QTcDとEFの間には有意な負相関(r=0.33,P<0.0005)を認めた.(2)LP陽性群,QTcD異常群およびEF低下群は,いずれも正常群に比し有意にVT合併率が高かった(24%vs8%,28%vs5%,50%vs6%).(3)VT出現に対するsensitivity,specificity,positive predictive value,negativepredictive valueは,LP単独では各々60%,73%,24%,93%であった.LPとQTcDを組み合わせると,specificityは低下(73から53%)したが,sensitivityは著明に改善した(60から93%).結論:器質的心疾患患者において,LPとQTcDとの間には関連性は認められず,両者は独立したVT予知因子である可能性が示唆された.LPとQTcDを併用することにより,VT予測に対するsensitivityが著明に改善した. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.29.Supplement6_37 |