第12回臨床不整脈研究会 左室流出路起源の運動誘発性持続性心室頻拍に対する高周波カテーテルアブレーション

左室流出路起源の持続性心室頻拍(SVT)の1例を経験した.症例は12歳の男児.心臓検診で不整脈を指摘され,Holter心電図で運動中に心拍数225のSVTを認めたため,精査加療目的で入院した.心電図では右脚ブロック型の心室期外収縮が頻発していた.身体所見,胸部X線所見,心エコー図では異常は認めなかった.Treadmill運動負荷試験では最大9連発の心室頻拍が誘発された.電気生理学的検査では,2発までの右室期外刺激,右室連続刺激では頻拍は誘発されず,イソプロテレノール投与後に右軸偏位,右脚ブロック型のSVTが誘発された.頻拍中の右室連続刺激では,QRS波型はprogressivefusionを示...

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Published in心臓 Vol. 32; no. Supplement6; pp. 37 - 43
Main Authors 宇佐美, 等, 谷口, 和夫, 岡田, 知雄, 住友, 直方, 鮎沢, 衛, 中川, 万樹生, 唐澤, 賢祐, 原田, 研介, 能登, 信孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2000
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.32.Supplement6_37

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Summary:左室流出路起源の持続性心室頻拍(SVT)の1例を経験した.症例は12歳の男児.心臓検診で不整脈を指摘され,Holter心電図で運動中に心拍数225のSVTを認めたため,精査加療目的で入院した.心電図では右脚ブロック型の心室期外収縮が頻発していた.身体所見,胸部X線所見,心エコー図では異常は認めなかった.Treadmill運動負荷試験では最大9連発の心室頻拍が誘発された.電気生理学的検査では,2発までの右室期外刺激,右室連続刺激では頻拍は誘発されず,イソプロテレノール投与後に右軸偏位,右脚ブロック型のSVTが誘発された.頻拍中の右室連続刺激では,QRS波型はprogressivefusionを示さず,post pacing intervalも一定の傾向を認めなかった.頻拍の機序としてカテコラミン感受性の自動能もしくは撃発活動が考えられた.頻拍中の心内膜mappingおよびpace mappingでは左室流出路前側壁が頻拍の起源と考えられ,高周波カテーテルアブレーションにより,頻拍の根治に成功した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.32.Supplement6_37