経済計画の経験を振り返って~経済計画策定作業経験者によるオーラルヒストリー

我が国の戦後から 2001 年の中央省庁再編時までの経済成長の指針として大きな役割を果たした「経済計画」については、その果たしてきた役割につき様々な議論がある。本稿はオーラルヒストリーの手法を用い、過去に経済計画の策定等に従事した経験のある旧経済企画庁の職員に対するインタビューを実施し、当時における経済計画に対する意識の把握、および現在から振り返ってみたときの考えなどの整理を行うものである。インタビューからの結果によれば、経済計画及び計画の調査審議を行なっていた経済審議会の機能・役割の評価として強調されていたのは、①経済審議会におけるコンセンサス形成のための委員のステークホルダーとしての機能の...

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Published in経済分析 Vol. 210; p. 210_08
Main Author 丸山 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 内閣府経済社会総合研究所 24.07.2025
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ISSN0453-4727
2758-9900
DOI10.60294/keizaibunseki.210_08

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Summary:我が国の戦後から 2001 年の中央省庁再編時までの経済成長の指針として大きな役割を果たした「経済計画」については、その果たしてきた役割につき様々な議論がある。本稿はオーラルヒストリーの手法を用い、過去に経済計画の策定等に従事した経験のある旧経済企画庁の職員に対するインタビューを実施し、当時における経済計画に対する意識の把握、および現在から振り返ってみたときの考えなどの整理を行うものである。インタビューからの結果によれば、経済計画及び計画の調査審議を行なっていた経済審議会の機能・役割の評価として強調されていたのは、①経済審議会におけるコンセンサス形成のための委員のステークホルダーとしての機能の重要性と、②各省の政策に関して中長期的に整合性のあるようにチェックすることの重要性、の2点であった。また、併せて上記インタビューとは別に、策定当事者とは異なる観点から見た経済計画について、現在の視点から経済学、行政学、政治学の学識経験者の方々からの評価も述べてもらった。第三者である学識経験者からのコメントも踏まえて、オーラルヒストリーで得られた指摘をもとに経済計画の果たした役割と同計画の教訓をどのように生かせるのかに関する考察を今後も深めてゆきたい。
ISSN:0453-4727
2758-9900
DOI:10.60294/keizaibunseki.210_08