小児期再生不良性貧血の抗リンパ球グロブリン療法

小児の中等症ないし重症再生不良性貧血40例のAL (T) Gによる治療効果を研究した.特発性32例, Fanconi貧血1例, 二次性3例およびPRCA4例である.39例にALGを, 1例にATGを投与した.AL (T) Gは20~40mg/kg/日を5日間投与した.重症9例と中等症1例ではmethylprednisolone大量を同時併用した.3ヵ月以内に, 重症25例中6例, 中等症10例中1例に完全または部分寛解が得られた.推計学的には, AL (T) G単独例とmethylprednisolone大量併用例とで, 有効率および生存率に有意差はなかった.PRCAの1例に一過性の改善が得ら...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 3; no. 1; pp. 70 - 77
Main Authors 赤羽, 太郎, 関根, 百合子, 石本, 浩市, 田口, 信行, 豊田, 恭徳, 赤塚, 順一, 宮崎, 澄雄, 辻野, 儀一, 伊藤, 尹敦, 中畑, 龍俊, 石川, 順一, 蒲生, 鐵男, 長尾, 大, 杉田, 記代子, 麦島, 秀雄, 筒井, 孟, 月本, 一郎, 小島, 勢二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1989
Online AccessGet full text
ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.3.70

Cover

More Information
Summary:小児の中等症ないし重症再生不良性貧血40例のAL (T) Gによる治療効果を研究した.特発性32例, Fanconi貧血1例, 二次性3例およびPRCA4例である.39例にALGを, 1例にATGを投与した.AL (T) Gは20~40mg/kg/日を5日間投与した.重症9例と中等症1例ではmethylprednisolone大量を同時併用した.3ヵ月以内に, 重症25例中6例, 中等症10例中1例に完全または部分寛解が得られた.推計学的には, AL (T) G単独例とmethylprednisolone大量併用例とで, 有効率および生存率に有意差はなかった.PRCAの1例に一過性の改善が得られた.AL (T) G投与前後のCD4, CD8およびCD4/CD8比は臨床効果と相関しなかった。合併症は少なく, 軽熱じんましん, 発疹および糖尿などであった.骨髄移植ができない場合に, 重症小児再生不良性貧血の治療にAL (G) Gとmethylprednisoloneの同時併用を考慮すべきである.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.3.70