乳児慢性骨髄単球性白血病における同種骨髄移植

生後7カ月時初発の乳児慢性骨髄単球性白血病 (CMMoL) の男児例に対し, HLAが適合した兄をドナーとした骨髄移植 (BMT) を施行した.BMTの前処置はbusulfan, cyclophosphamide, etoposide, cytosinearabinosideで行った.BMT後53日にHPRT遺伝子のRFLPを検索したところ, 移植骨髄の拒絶が確認された.移植後11カ月頃より, 脾腫の増大と進行性の貧血と血小板減少を認めたため, BMT13カ月後に摘脾を施行した.摘脾後, 貧血と血小板減少は改善し全身状態もよくなったが, BMT19カ月後, 突然, 発熱と出血症状を呈し死亡した...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 43 - 47
Main Authors 河, 敬世, 多和, 昭雄, 倉橋, 浩樹, 坂田, 尚己, 井上, 雅美, 原, 純一, 八木, 啓子, 大杉, 夕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1994
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.8.43

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Summary:生後7カ月時初発の乳児慢性骨髄単球性白血病 (CMMoL) の男児例に対し, HLAが適合した兄をドナーとした骨髄移植 (BMT) を施行した.BMTの前処置はbusulfan, cyclophosphamide, etoposide, cytosinearabinosideで行った.BMT後53日にHPRT遺伝子のRFLPを検索したところ, 移植骨髄の拒絶が確認された.移植後11カ月頃より, 脾腫の増大と進行性の貧血と血小板減少を認めたため, BMT13カ月後に摘脾を施行した.摘脾後, 貧血と血小板減少は改善し全身状態もよくなったが, BMT19カ月後, 突然, 発熱と出血症状を呈し死亡した.詳細は不明であるが原疾患の増悪に伴う感染による敗血症が死因と考えられた.本例の経験よりCMMoLでな, 脾機能の充進が移植片の拒絶にかかわっている可能性が考えられ, 移植前に摘脾, 脾照射などの処置を行った後にTBIを含めた前処置によるBMTが望ましいと思われた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.8.43