初回がん薬物療法を受ける進行期非小細胞肺がん患者のQOLの推移
本研究の目的は,初回がん薬物療法を受ける進行期非小細胞肺がん患者のQOLについて縦断的に調査し,QOLの推移や変化を明らかにすることであった.また,治療を継続できた患者と治療途中で死亡に至った患者のベースラインのQOLを比較した.分析対象者はA病院で2021年6月~2023年3月の間に診断を受けた22名で,初回治療の3カ月間,治療開始前を含む4時点でQOLを測定した.QOLには自記式質問紙European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire(QLQ-C30)を使用した.初...
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Published in | 日本がん看護学会誌 Vol. 39; p. 39_46_hiramatsu |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本がん看護学会
09.05.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0914-6423 2189-7565 |
DOI | 10.18906/jjscn.39_46_hiramatsu |
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Summary: | 本研究の目的は,初回がん薬物療法を受ける進行期非小細胞肺がん患者のQOLについて縦断的に調査し,QOLの推移や変化を明らかにすることであった.また,治療を継続できた患者と治療途中で死亡に至った患者のベースラインのQOLを比較した.分析対象者はA病院で2021年6月~2023年3月の間に診断を受けた22名で,初回治療の3カ月間,治療開始前を含む4時点でQOLを測定した.QOLには自記式質問紙European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire(QLQ-C30)を使用した.初回治療4回を完了できたのは10名で,2回目にC30の[健康度]や[趣味や仕事などの遂行]に改善があるものの,4回目では低下を認めた.完了10名と病状進行のため治療変更した8名を継続群とし,未継続群4名との2群でベースラインのC30を比較したところ,未継続群は[運動機能][趣味や仕事などの遂行]が低く,有意差を認めた.EORTC QOL Groupの参照値と比べても,未継続群の[健康度]や[趣味や仕事などの遂行]は参照値の標準偏差を超えて低かった.これらの結果は,治療3回目に看護支援を強化する必要性や治療前のQOLから臨床経過を予測した支援の必要性を示唆するものであった. |
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ISSN: | 0914-6423 2189-7565 |
DOI: | 10.18906/jjscn.39_46_hiramatsu |