社会的認知理論に基づいた給食時間における食べ残し指導に関する紙芝居教材の開発と実践活動のプロセス評価
目的:社会的認知理論に基づいた給食時間における食べ残し指導用の紙芝居教材を開発した.本稿では,紙芝居の内容の紹介と,現場の学校栄養士,学級担任の意見から行った教材を用いた指導のプロセス評価について報告すること.方法:2010年,都内A区の公立小4校に通う1年生456人を対象に,学校栄養士(4人)または学級担任(13人)が教材を用いて指導を行った.教材は,短時間でできる5日間の紙芝居であり,セルフ・エフィカシーと結果期待を高め,嫌いな食べ物にチャレンジする姿勢を育てることをねらいとした.指導者用解説書には,理論に基づいた給食指導の方法などを記載した.学校栄養士と学級担任を対象に,質問紙を用いて,...
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| Published in | 日本健康教育学会誌 Vol. 20; no. Special; pp. s43 - s51 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本健康教育学会
2012
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-2560 1884-5053 |
| DOI | 10.11260/kenkokyoiku.20.s43 |
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| Summary: | 目的:社会的認知理論に基づいた給食時間における食べ残し指導用の紙芝居教材を開発した.本稿では,紙芝居の内容の紹介と,現場の学校栄養士,学級担任の意見から行った教材を用いた指導のプロセス評価について報告すること.方法:2010年,都内A区の公立小4校に通う1年生456人を対象に,学校栄養士(4人)または学級担任(13人)が教材を用いて指導を行った.教材は,短時間でできる5日間の紙芝居であり,セルフ・エフィカシーと結果期待を高め,嫌いな食べ物にチャレンジする姿勢を育てることをねらいとした.指導者用解説書には,理論に基づいた給食指導の方法などを記載した.学校栄養士と学級担任を対象に,質問紙を用いて,児童の反応や変化,紙芝居教材に対する意見をたずねた.結果:学級担任の全員(13人)が児童は紙芝居の内容を「まあまあ/とても理解していた」と回答した.また,77%(10人)が解説書も読み,「まあまあ/とてもわかりやすかった」と回答した.紙芝居を行った学校栄養士全員が「思った通りに行うことができた」と回答し,自由記述の回答では,紙芝居に対して,肯定的な意見があげられた.しかし一方で,教材の内容について,改善すべき点もあがった.結論:今回開発した紙芝居教材は,食べ残し指導用の教材として,学校栄養士および学級担任に肯定的に受け入れられた.一方で,いくつか改善点もあげられ,教材のねらいが伝わるように,紙芝居のストーリーと解説書の改善が必要であることが示唆された. |
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| ISSN: | 1340-2560 1884-5053 |
| DOI: | 10.11260/kenkokyoiku.20.s43 |