大規模地震災害向け遠隔建物被害認定システムの適用可能性の検討 写真アップロードシステムに着目して

本研究では,筆者らが提案・開発してきた遠隔建物被害認定システムのサブシステムである建物被害写真アップロードシステムを用いて,実際の遠隔判定への適用可能性を検証するために宮城県仙台市の被災建物を対象として写真撮影・アップロードのテストを行った.その結果,背景色との混同による被害の見落としの可能性,逆光,影により画質が低下する点が明らかとなった.さらに,全壊や大規模半壊などの大規模な被害が明確に表れる被害形態の場合には,全景写真により被害を確認することができる一方,半壊や一部損壊など小規模な被害が多数生じる被害形態の場合には,全景写真のみでは被害把握は不可能であることが明らかとなった.建物被害の把...

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Published in社会技術研究論文集 Vol. 11; pp. 12 - 21
Main Authors 藤生, 慎, 目黒, 公郎, 大原, 美保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社会技術研究会 2014
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ISSN1349-0184
1882-4609
DOI10.3392/sociotechnica.11.12

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Summary:本研究では,筆者らが提案・開発してきた遠隔建物被害認定システムのサブシステムである建物被害写真アップロードシステムを用いて,実際の遠隔判定への適用可能性を検証するために宮城県仙台市の被災建物を対象として写真撮影・アップロードのテストを行った.その結果,背景色との混同による被害の見落としの可能性,逆光,影により画質が低下する点が明らかとなった.さらに,全壊や大規模半壊などの大規模な被害が明確に表れる被害形態の場合には,全景写真により被害を確認することができる一方,半壊や一部損壊など小規模な被害が多数生じる被害形態の場合には,全景写真のみでは被害把握は不可能であることが明らかとなった.建物被害の把握には,被災建物の全景写真と損傷箇所のクローズアップ写真の両方を撮影することにより,被害部位・被害程度を正確に把握できることが明らかとなった.
ISSN:1349-0184
1882-4609
DOI:10.3392/sociotechnica.11.12