経皮経肝エコーガイド下肝腫瘍生検にて診断した肝原発類上皮血管内皮腫の一例

症例は49歳女性.検診にてγ-GTP高値を指摘され,近医で腹部超音波検査を施行.肝内に多発する腫瘤を指摘され精査加療目的にて当科紹介受診.CT検査では肝内に多発する腫瘤および肺野に小結節を認めた.PET-CTにて肝内にFDGの集積を伴った腫瘤が多数見られた.肺野の多発小結節にはFDGの集積はなかったが転移性肺腫瘍が疑われた.画像診断では確定診断がつかず,経皮経肝エコーガイド下肝腫瘍生検を施行し肝原発類上皮血管内皮腫と診断した.IL-2による治療を開始した.重篤な副作用はなく,治療開始後9カ月進行はみられず,治療継続中である.肝原発類上皮血管内皮腫は稀な疾患であり治療法が確立しておらず,症例のさ...

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Published in肝臓 Vol. 54; no. 2; pp. 103 - 111
Main Authors 今井, 祐輔, 宇都宮, 大貴, 清水, 祐宏, 達川, はるか, 二宮, 朋之, 日高, 聡, 平岡, 淳, 道堯, 浩二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2013
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.54.103

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Summary:症例は49歳女性.検診にてγ-GTP高値を指摘され,近医で腹部超音波検査を施行.肝内に多発する腫瘤を指摘され精査加療目的にて当科紹介受診.CT検査では肝内に多発する腫瘤および肺野に小結節を認めた.PET-CTにて肝内にFDGの集積を伴った腫瘤が多数見られた.肺野の多発小結節にはFDGの集積はなかったが転移性肺腫瘍が疑われた.画像診断では確定診断がつかず,経皮経肝エコーガイド下肝腫瘍生検を施行し肝原発類上皮血管内皮腫と診断した.IL-2による治療を開始した.重篤な副作用はなく,治療開始後9カ月進行はみられず,治療継続中である.肝原発類上皮血管内皮腫は稀な疾患であり治療法が確立しておらず,症例のさらなる蓄積が必要であるが,IL-2による治療は治療選択の1つとなり得ると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.54.103