腹腔鏡下尿膜管症手術7例の検討

尿膜管遺残症手術に対する腹腔鏡下手術は整容性の観点から非常に優れていると考えられる.しかし尿膜管癌発生の問題,腹腔内の腹膜欠損部の閉鎖の是非など検討するべき課題も存在する.今回当施設で施行した腹腔鏡下尿膜管切除術症例に関して手術方法や問題点を検討した. 2009年3月から2012年2月までの3年間,当施設で腹腔鏡下尿膜管手術7例を経験した.いずれも臍洞炎にて発見され,炎症消褪後に腹腔鏡下尿膜管切除術を施行した.カメラは斜視鏡を用い,右側腹部に12mmのカメラポート1本,5mmのワークポート2本で腹腔内より尿膜管切除を行う.膀胱側は3-0吸収糸にて2重に体内結紮し,摘出は臍底部を輪状にくりぬき,...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 6; pp. 1323 - 1326
Main Authors 下代, 玲奈, 藤村, 昌樹, 佐藤, 功, 沖田, 充司, 千野, 佳秀, 田畑, 智丈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1323

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Summary:尿膜管遺残症手術に対する腹腔鏡下手術は整容性の観点から非常に優れていると考えられる.しかし尿膜管癌発生の問題,腹腔内の腹膜欠損部の閉鎖の是非など検討するべき課題も存在する.今回当施設で施行した腹腔鏡下尿膜管切除術症例に関して手術方法や問題点を検討した. 2009年3月から2012年2月までの3年間,当施設で腹腔鏡下尿膜管手術7例を経験した.いずれも臍洞炎にて発見され,炎症消褪後に腹腔鏡下尿膜管切除術を施行した.カメラは斜視鏡を用い,右側腹部に12mmのカメラポート1本,5mmのワークポート2本で腹腔内より尿膜管切除を行う.膀胱側は3-0吸収糸にて2重に体内結紮し,摘出は臍底部を輪状にくりぬき,腹腔内と全周性に交通させ尿膜管を引き出した.臍部は臍形成術を施行し,腹膜解放部は腹腔内より体内で連続縫合閉鎖した. 手術侵襲,整容面の観点より腹腔鏡下尿膜管切除術は十分標準術式になると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1323