直腸癌に対するロボット手術~da Vinci S Surgical System®を使用した内括約筋切除(ISR)3例を経験して
2009年9月に大腸癌に対するda Vinci Surgical System®を用いたロボット手術を導入し,これまでに20例を経験した.今回は,そのなかで下部直腸癌3例に対して内括約筋切除術(ISR)を施行したので,その手技と手術成績を報告する.術前診断でcT1の2例と,経肛門的腫瘍切除(MITAS)術後の1例であり,いずれも側方郭清の必要のない症例を選択した.平均手術時間は512分,出血量は113gで,術後平均在院日数は9日であった.1例に骨盤内膿瘍を認めたが,保存的治療で軽快した.病理組織検査で,郭清リンパ節は平均17個であり,Surgical Marginも全例negativeであった...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 65; no. 6; pp. 328 - 334 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.65.328 |
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Summary: | 2009年9月に大腸癌に対するda Vinci Surgical System®を用いたロボット手術を導入し,これまでに20例を経験した.今回は,そのなかで下部直腸癌3例に対して内括約筋切除術(ISR)を施行したので,その手技と手術成績を報告する.術前診断でcT1の2例と,経肛門的腫瘍切除(MITAS)術後の1例であり,いずれも側方郭清の必要のない症例を選択した.平均手術時間は512分,出血量は113gで,術後平均在院日数は9日であった.1例に骨盤内膿瘍を認めたが,保存的治療で軽快した.病理組織検査で,郭清リンパ節は平均17個であり,Surgical Marginも全例negativeであった.Learning curveによる手術時間の短縮とさらなる症例の蓄積によってfeasibilityと安全性を示す必要があると考えられた. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.65.328 |