働き方改革下における肺移植low volume centerの課題
【目的】2023年は脳死臓器提供数が過去最高となり、その提供数が増加することが予想される。働き方改革の制度下において、増加する肺移植に対して工夫できる時短の方策について検討する。【方法】当院ではビーコン勤怠管理が2023年から導入されている。計測された超過時間を基に、移植がある月とない月の両者を比較し、現状を解析する。肺移植による時間外勤務の主な原因を後方視的に調査し、その改善案について提言していく。【結果】2023年の当院における肺移植は3例、これまで計18例の移植を行っている。2023年の移植に関わったスタッフ4名、大学院生5名の超過時間の平均は、移植あり/移植:58.9時間/46.1時間...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s153_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s153_2 |
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Summary: | 【目的】2023年は脳死臓器提供数が過去最高となり、その提供数が増加することが予想される。働き方改革の制度下において、増加する肺移植に対して工夫できる時短の方策について検討する。【方法】当院ではビーコン勤怠管理が2023年から導入されている。計測された超過時間を基に、移植がある月とない月の両者を比較し、現状を解析する。肺移植による時間外勤務の主な原因を後方視的に調査し、その改善案について提言していく。【結果】2023年の当院における肺移植は3例、これまで計18例の移植を行っている。2023年の移植に関わったスタッフ4名、大学院生5名の超過時間の平均は、移植あり/移植:58.9時間/46.1時間(p=0.0126)と有意に移植があった月の超過時間が長く、約12時間も長くなっていた。臓器提供が休日や夜間に調整されていたことが一つの要因として考えられる。当院はlow volume centerであり、これまで全員体制で肺移植に対応してきた。移植に習熟したスタッフを増やしチーム制に移行する事ができれば、超過時間労働を削減できることが期待される。現在、キャダバーによる肺移植トレーニングを定期的に行う事に加え、海外及び日本国内のhigh volume centerでの研修を通し、肺移植に習熟している医師を育成しながらプログラム継続を模索している。【結語】診療科スタッフ全員が移植医療に精通し、仕事を適材適所に分業することにより個人の超過時間を抑えることが求められる。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s153_2 |