褐炭の水熱処理とCO2 ガス化

ロイヤング炭 (褐炭,水分約60%) の水熱処理を200℃から380℃の範囲で行った。改質炭に関して燃料特性,平衡水分,固体VACP/MAS 13C-NMR,熱分析を行った結果,高品位化が認められ,処理温度をより高く設定することで炭素量,固定炭素,燃料比,芳香族炭素指数が上昇した。300℃以上の温度で処理した場合湿度の変化に影響を受けず低い水分と高い発熱量が維持され,250℃以下の温和な条件での処理はエネルギー回収率と固体歩留まりの点で有利であった。水熱処理の際少量のアルカリを添加することで,改質炭のガス化速度を2倍以上速く出来る一方,灰分はむしろ低下させることが出来た。さらに添加量を増やすと...

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Published inJournal of MMIJ Vol. 131; no. 5; pp. 219 - 225
Main Authors 野中, 壯泰, 平島, 剛, 熊谷, 聡, 笹木, 圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 資源・素材学会 2015
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ISSN1881-6118
1884-0450
DOI10.2473/journalofmmij.131.219

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Summary:ロイヤング炭 (褐炭,水分約60%) の水熱処理を200℃から380℃の範囲で行った。改質炭に関して燃料特性,平衡水分,固体VACP/MAS 13C-NMR,熱分析を行った結果,高品位化が認められ,処理温度をより高く設定することで炭素量,固定炭素,燃料比,芳香族炭素指数が上昇した。300℃以上の温度で処理した場合湿度の変化に影響を受けず低い水分と高い発熱量が維持され,250℃以下の温和な条件での処理はエネルギー回収率と固体歩留まりの点で有利であった。水熱処理の際少量のアルカリを添加することで,改質炭のガス化速度を2倍以上速く出来る一方,灰分はむしろ低下させることが出来た。さらに添加量を増やすとアレニウスプロットの傾きが小さくなり,このときフェノール性水酸基が減少に転じガス化の反応パスに変化が生じたものと考えられる。
ISSN:1881-6118
1884-0450
DOI:10.2473/journalofmmij.131.219