膵臓移植立ち上げに関わる手術室看護師の役割
私は当院の臓器移植領域における手術室のリーダーとして、手術室の移植手術体制を整備し、後進の指導に当たってきた。当院は、2022年5月に新たに膵臓移植施設認定され、いつ膵臓移植が始まってもおかしくない状況下にある。膵臓移植チームは消化器外科をはじめ多くの診療科と部門で構成されている。手術室看護師は、膵臓移植手術を成功させる上で必要不可欠な存在であり、移植を成功させるためには手術室内でもチームとしての知識共有が必要になる。膵臓移植は、事前の準備や手順の確認ができる待機手術とは異なり、いつ行われるか予測不可能な緊急手術であり、当院では経験がないために不測の事態が起こる可能性もある。そのため、手術室看...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s305_1 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s305_1 |
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Summary: | 私は当院の臓器移植領域における手術室のリーダーとして、手術室の移植手術体制を整備し、後進の指導に当たってきた。当院は、2022年5月に新たに膵臓移植施設認定され、いつ膵臓移植が始まってもおかしくない状況下にある。膵臓移植チームは消化器外科をはじめ多くの診療科と部門で構成されている。手術室看護師は、膵臓移植手術を成功させる上で必要不可欠な存在であり、移植を成功させるためには手術室内でもチームとしての知識共有が必要になる。膵臓移植は、事前の準備や手順の確認ができる待機手術とは異なり、いつ行われるか予測不可能な緊急手術であり、当院では経験がないために不測の事態が起こる可能性もある。そのため、手術室看護師全員が、手術手技に使用する器械、薬剤、手技の手順、手術発生時のフローを理解し対応できる備えが必要である。 今までの取り組みとして、多職種カンファレンスの参加、レシピエント情報の共有、膵臓移植手術の手術室マニュアルの作成、事前準備から手術手順を医師と共有してきた。さらに、移植医により膵臓移植に関する勉強会を実施し、疾患や手術に関する知識の獲得を行ってきた。 約3年に渡る準備期間で、手術室での膵臓移植の受け入れ体制はほぼ整ったと考えられる。 膵臓移植の立ち上げに関わった手術室看護師として、今までの準備と実践について発表する。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s305_1 |