EDXRFスペクトルにおけるフィッティングによるU Lα線のピーク分離
エネルギー分散型蛍光X線分析装置には装置付属ソフトにより各ピークのNet信号強度を与える機能が備わっているが,ほとんどの装置において,そのアルゴリズムは企業秘密である.著者らは,ブラックボックスとなっている装置付属ソフトに解析を委ねるのではなく,独自のフィッティング法によりピーク分離を行ってきた.これは,フィッティングを行う範囲を標的元素のピークを含む,バックグラウンド信号が一次関数で表現できる狭いエネルギー範囲に限定し,そこにガウシアン関数が重なっているフィッティング関数を設定するものであり,それぞれの元素のみを含む試料の事前測定により各ピークのピーク幅と同一元素内ピーク強度比を固定しておく...
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| Published in | 分析化学 Vol. 73; no. 7.8; pp. 359 - 367 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本分析化学会
05.07.2024
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| ISSN | 0525-1931 |
| DOI | 10.2116/bunsekikagaku.73.359 |
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| Summary: | エネルギー分散型蛍光X線分析装置には装置付属ソフトにより各ピークのNet信号強度を与える機能が備わっているが,ほとんどの装置において,そのアルゴリズムは企業秘密である.著者らは,ブラックボックスとなっている装置付属ソフトに解析を委ねるのではなく,独自のフィッティング法によりピーク分離を行ってきた.これは,フィッティングを行う範囲を標的元素のピークを含む,バックグラウンド信号が一次関数で表現できる狭いエネルギー範囲に限定し,そこにガウシアン関数が重なっているフィッティング関数を設定するものであり,それぞれの元素のみを含む試料の事前測定により各ピークのピーク幅と同一元素内ピーク強度比を固定しておくことに特徴がある.本研究では,大量のルビジウムと,各種濃度のウランを含む試料を用いて,U Lα線の信号強度について,著者ら独自のフィッティング法と,装置付属ソフトによる解析結果を比較し,検出下限近傍のごく少量のウランを含む試料においては著者ら独自のフィッティング法の方が優れていることを明らかにした. |
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| ISSN: | 0525-1931 |
| DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.73.359 |