S状結腸憩室炎術後縫合不全による腸管皮膚瘻に対してOver-The-Scope Clip(OTSC)を使用した2例
今回われわれはS状結腸憩室炎術後縫合不全による腸管皮膚瘻に対してOver-The-Scope Clip(以下OTSC)を使用した2例を経験したので報告する.症例1は52歳男性.下腹部痛と鮮血便を主訴に来院し,腹部造影CT検査でS状結腸憩室穿通による後腹膜膿瘍と診断され緊急でS状結腸切除,回腸双孔式人工肛門造設術を行った.術後46日目に注腸造影で腸管皮膚瘻と診断されOTSCによる瘻孔閉鎖を行ったところ,腸管皮膚瘻は治癒し,閉鎖後154日目に回腸人工肛門閉鎖を行った.症例2は56歳男性.気尿を主訴に近医を受診し,腹部造影CT検査でS状結腸膀胱瘻と診断され当院紹介となった.保存的加療で炎症反応の消退...
Saved in:
| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 73; no. 1; pp. 25 - 32 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2020
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.73.25 |
Cover
| Summary: | 今回われわれはS状結腸憩室炎術後縫合不全による腸管皮膚瘻に対してOver-The-Scope Clip(以下OTSC)を使用した2例を経験したので報告する.症例1は52歳男性.下腹部痛と鮮血便を主訴に来院し,腹部造影CT検査でS状結腸憩室穿通による後腹膜膿瘍と診断され緊急でS状結腸切除,回腸双孔式人工肛門造設術を行った.術後46日目に注腸造影で腸管皮膚瘻と診断されOTSCによる瘻孔閉鎖を行ったところ,腸管皮膚瘻は治癒し,閉鎖後154日目に回腸人工肛門閉鎖を行った.症例2は56歳男性.気尿を主訴に近医を受診し,腹部造影CT検査でS状結腸膀胱瘻と診断され当院紹介となった.保存的加療で炎症反応の消退後,S状結腸切除,横行結腸人工肛門造設術を行った.創感染が遷延し,術後221日目に瘻孔造影検査で腸管皮膚瘻の診断となった.OTSCによる瘻孔閉鎖を計5回試みるも奏効せず,手術による瘻孔切除を行った. |
|---|---|
| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.73.25 |