全反射蛍光X線分析法による迅速水質分析

本研究では,試料台への水試料の滴下量を少量として乾燥残渣作製に要する時間を短くし,ポータブル全反射蛍光X線(total reflection X-ray fluorescence, TXRF)分析装置を用いて短時間でスペクトルを取得することにより,迅速に水溶液分析を行う方法を検討した.9 mg L−1の塩素及び10 mg L−1のカリウムを含む水溶液,10 mg L−1のカルシウムを含む水溶液,0.3 mg L−1の鉄を含む水溶液それぞれ1 μLの乾燥残渣(ざんさ)を空気中で10秒間測定したところ,これら元素の蛍光X線ピークが観察された.また,同条件で市販のペットボトル飲料水の乾燥残渣の測定を...

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Published in分析化学 Vol. 72; no. 1.2; pp. 51 - 55
Main Authors 宮崎, 里穂子, 国村, 伸祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.01.2023
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.72.51

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Summary:本研究では,試料台への水試料の滴下量を少量として乾燥残渣作製に要する時間を短くし,ポータブル全反射蛍光X線(total reflection X-ray fluorescence, TXRF)分析装置を用いて短時間でスペクトルを取得することにより,迅速に水溶液分析を行う方法を検討した.9 mg L−1の塩素及び10 mg L−1のカリウムを含む水溶液,10 mg L−1のカルシウムを含む水溶液,0.3 mg L−1の鉄を含む水溶液それぞれ1 μLの乾燥残渣(ざんさ)を空気中で10秒間測定したところ,これら元素の蛍光X線ピークが観察された.また,同条件で市販のペットボトル飲料水の乾燥残渣の測定を行ったところ,水の硬度に比例してCa Kα線強度が強くなる傾向がみられた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.72.51