新潟県におけるCOVID-19オミクロン株流行時(第6波)の感染者の集団発生状況

2022年1月18日から4月17日まで、新潟県内で発生した各日ごとのCOVID-19オミクロン株流行時(第6波)の感染者数を9施設別、県立12保健所と政令市の新潟市別に区分し、集団発生の状況について分析した。施設は幼保、学校、高齢者施設、福祉施設、企業、医療施設、スポーツ施設、官公庁、飲食である。総感染者数、継続日数、1日当たりの最大人数も大きく異なっており、施設規模や構成集団の特徴を踏まえた上で拡大防止策を講ずる必要があることが分かった。幼保や学校、福祉施設や企業などは感染者数が爆発的に増加する例があり、また、幼保や学校、高齢者施設や福祉施設などでは長期に感染が継続するなどの例が散見された。...

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Published in新潟医療福祉学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 17 - 29
Main Authors 濱野, 礼奈, 瀧口, 徹, 木下, 直彦, 富山, 順子, 皆川, 璃子, 石上, 和男, 波塚, 飛鳥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 新潟医療福祉学会 2023
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ISSN1346-8774
2435-9777
DOI10.34540/niigatajohewewa.23.2_17

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Summary:2022年1月18日から4月17日まで、新潟県内で発生した各日ごとのCOVID-19オミクロン株流行時(第6波)の感染者数を9施設別、県立12保健所と政令市の新潟市別に区分し、集団発生の状況について分析した。施設は幼保、学校、高齢者施設、福祉施設、企業、医療施設、スポーツ施設、官公庁、飲食である。総感染者数、継続日数、1日当たりの最大人数も大きく異なっており、施設規模や構成集団の特徴を踏まえた上で拡大防止策を講ずる必要があることが分かった。幼保や学校、福祉施設や企業などは感染者数が爆発的に増加する例があり、また、幼保や学校、高齢者施設や福祉施設などでは長期に感染が継続するなどの例が散見された。これらの施設では初動時を的確に捉えクラスターを早期に抑え込むなどの積極的な対策を講ずる重要性が確認できた。 5人規模を集団発生とする追跡は、発生した感染者総数の約半数を捉えることができ有効性を示したが、集団発生規模を10人以上とすると、捉える網目が大きすぎて捕捉率は極端に低下し感染を抑え込むためには不十分と考えられた。オミクロン株が無症状や軽症例のまま経過することが多く感染連鎖を確認することが難しい特性があり、さらに膨大な感染者数の下では疫学調査を行うにも人的資源に大きな限界があったとは言え、集団発生を的確に捉え早期対策を行うことにより、感染の連鎖を防ぐことが重要であることがわかった。
ISSN:1346-8774
2435-9777
DOI:10.34540/niigatajohewewa.23.2_17